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はじめに

 私は蛙が好きで、蛙に関する研究をやりたい一心でこの卒論をやり始めたわけである。しかし、その熱い思いをそのまま卒論本文に書くわけにもいくまい。
 というわけで、卒論用にもっともらしく考えたものが次の文章である。


 蛙は、我々日本人にとって身近な生き物である。そして日本文学には、幅広い時代、ジャンルにわたって頻繁に蛙が登場している。しかし、何故かこれらに関する研究は少ない。


 例えば、古今和歌集仮名序に「花に啼く鶯、水に棲む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける」という一文がある。我々にとって身近な鶯の声と蛙の声は、共に美しい物として挙げられている。しかし、論文などが多く、研究が進んでいるのは「花に啼く鶯」の方なのである。


 蛙以外の、日本人にとって身近で日本文学に頻繁に登場する生き物の研究は比較的よく見かけるのに、蛙に関する研究は少ないというのは不思議な話である。我々はもっと蛙に目を向けてみても良いのではないだろうか。


 そこで私は、蛙に関する文学作品を集め考察することにより、日本人と蛙との関わりを探り、日本文学における蛙の詠まれ方と変遷についてを明らかにしたいと思う。